大館周辺は海から遠く離れており昔は交通不便で、自然、自給自足の生活をした。
農作業が終わる晩秋になると米・味噌・鶏などを背負い木材の伐採や炭焼き作業に従事した。その山小屋生活の中でその日の残ったご飯をこねてまるめあるいは細長くにぎって杉の串にまきつけて鶏鍋に入れたり、あるいは味噌を塗って食べたものが始まりと伝えられています。
また一説にはマタギ(狩人)が食べ残りの握り飯を獲物の鳥や獣の鍋に入れて食べたことから生まれた料理ともいわれています。
「きりたんぽ」の「たんぽ」は槍の刃部のカパーのことでその「たんぽ」に似たものを切って鍋に入れることから「きりたんぽ」と称するようになったといわれています。
日本三大美味鶏 比内鶏
きりたんぽ鍋に欠かせない比内鶏(ひないどり)は日本鶏の中でも最も改良が遅れ野鶏に近く大館周辺(旧比内地方)にしかいない地鶏です。
ブロイラーが成鶏になるまで60日しかかからないのに対し、比内鶏は150~180日もかかり、野原や畑等に放し飼いにされ野草等をついばんで自由に飛び回って育つため肉の締まりが良いのです。比内鶏は山鳥に類した風味とこくを持ち日本一の美味鶏として折紙がつけられています。昭和17年、国の天然記念記物として指定されたため食用には一代交雑種が使用されています。